花と緑のまちづくり推進協議会

花ごころバックナンバー

広報誌「花ごころ」情報局

広報誌「花ごころ」に連載中、園芸研究家の山さんの"花コラム"を掲載しています。


テーマ:サンシュユ
令和2年冬号

 早春に黄色い花をつける花木は多いが、2月末から咲き出す早さと、高さ3、4メートルの全枝を覆い尽くす明るい色とその賑やかさは爽快です。一つの花は見えないほど小さいのですが、20個ほどの小花が半球状となり一つの花のように見えます。
 朝鮮半島中北部と中国浙江省に自生があると言われ、日本へは江戸中期に果実を薬用として輸入されたのが始めのようです。秋に紅熟する長さ1.5センチほどのグミのような果実は乾燥して焼酎漬けや煎じて強壮、強精、健胃剤となるようです。
庭のさんしゅの木成る鈴かけて、と唄われる、昭和時代に流行した宮崎県の民謡「稗つき節」が、これかと思ったのですが、源平時代の悲恋物語で、サンシュユの到来とは時代が合わず、物語りの当て外れ、後に辛みのサンショの方言だと聞きました。
 小高木ながら株立ちの性質で、枝の伸びは旺盛、花後の剪定で形を整えますが、根元近くから育ちの旺盛な枝も立ち上げるので、これを嫌って全部整理していると、逆に育ちはひどく抑えられます。狭い庭や街路樹などで老木状態を見かけるのはそのためのようで、根元枝を1、2本仕立てるとたちまち復活します。
 挿し木は困難、接ぎ木も小枝を地面まで倒して根を接ぐ方法でなければ着かず、実生も開花まで数年かかるなど、苗の流通も影響してか意外に見かけませんね。